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概要

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バラ科のアンズの種子。別名甜梅児、巴旦杏仁、苦扁桃。 アンズは中国原産で中北部全体に産し、アンズ、ホンアンズ、モウコアンズ等々多種に渡る。杏仁は果肉を利用する目的で栽培された普通のアンズからあまり採れず、特に種子を漢方薬としてつかう仁用杏をもちいる。仁用杏は北方の特産で、果肉は薄く苦く食用には適さない。薬効としては、古くより風邪薬として用いられ、痰を切りせきを止める働きがあると言われている。主成分は青酸配糖体のアミグダリンで、分解するとベンツアルデヒドとなり、あの特有の芳香を発する。杏仁の香りは、ヨーロッパでも昔から珍重され、アーモンドオイルまたはエッセンスとして売られており、様々な菓子やリキュール類、紅茶などの香りづけに使われている。 味は薬というだけあって、大変苦味が勝っているため、適量以上に摂取すると中毒することもあるので、杏仁をデザートに使用する場合は、薬効は薄いが、よりマイルドで甘味のある果肉用の杏仁の種子をブレンドして用いるのが普通である。 このように中国料理の名だたるデザートである杏仁豆腐は、もともと薬用である杏仁水に甘い味を付け、のどごしよく食べやすくまた、栄養価をつけようということで、豆乳などを混ぜて作られたものが最初であり、それが次第に洗練されて今の形になったとおもわれる。しかしながら杏仁の薬効は古くより認められており、良質の植物油も含まれていることから子供からお年寄り、病中病後のお薦めできるまさに「医食同源」のデザートといえる。秋の収穫の喜びを天に感謝し、澄み切った漆黒の空に昇る丸い月を拝んでいたことが時代の移り変わりとともに月見の風習になったと言われる。また、丸い月は団欒の象徴とされ、豊かな収穫を前に家族が集まり、月餅を食べ月を見て遥か異郷の地にいる身内のことを思いやり幸せで円満な生活を望んだとされます。こうした習慣が中秋には月餅を親しい人への贈りものとして根づかせていったと考えられる。~     杏     仁     ~祝 大 家 中 秋 節 快 楽━  7  ━