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概要

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木は10m前後に育つ常緑樹。栽培歴はライチ―と同様にきわめて古く、また分布もほぼ同じである。古くから南方の珍菓として愛好されていた。品種は非常に多く、代表銘柄でも7品種みられ、小さいもので1個当たり5~6gであるが、最大では12~15gと大型のものもみられる。 主産地は福建をトップに広東、広西、四川、雲南、貴州、台湾などの各省(各地)で採れるが、生産量では福建省で、次いで台湾となる。特に台湾は台湾海峡をへだてて福建省と接するため、早くから龍眼が伝わり、改良されたとみられる。日本では龍眼というと、干し龍眼となるが本来の龍眼は干し物ではなく生でたべるもの。龍眼は漢方薬の中にも取り入れられ、補血養心食とされている。本草学でも安志強魂、通神明の効があるとし、興奮性があるために多食を禁じている。また、産後の女性の補血、栄養主調からくる脱毛、手足の冷えに効果があるとされている。食べ方としては生鮮品が最高で殻をむいてそのまま食べるが、この場合でも品種名を確認することが大切。生果の場合は種子を除きフルーツサラダやフルーツカクテルに混ぜたり杏仁豆腐にも使われる。缶詰めの場合も同様。 龍眼は殻ごと乾燥され輸出される。そしてその果肉を使って①干し龍眼、蓮の実、赤なつめ入りスープ。②干し龍眼入りお粥③干し龍眼の中にチーズなどを入れたおつまみ などに利用されるほか、砂糖漬けの桂円肉や、湯で溶かして飲むゼリー状の桂円膏 などもみられる。また、果肉だけを固めたようかん状のものもあり、龍眼種子の でんぷんから龍眼酒もつくられている。龍     眼━  5  ━