ブックタイトル湯・炒・爆・炸・煮・澱・蒸の定義

ページ
11/30

このページは 湯・炒・爆・炸・煮・澱・蒸の定義 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

湯・炒・爆・炸・煮・澱・蒸の定義

炸について「炸」という技法は、その他の調理法と結びついて幅広い料理を作り出している。焼、?などの煮込みでは、材料に下味や衣などをつけて中高温あるいは高温の油で揚げてから煮込む方法が数多く見られる。このときの揚げる目的は、煮崩れを防ぐ、醤油などで色をつける、臭みを消すなどで、揚げた材料は煮込む前段階にあり、完全に火を通さないことが多い。溜(あんかけ)では揚げた材料に熱いあんをからませるがあんは材料の表面だけにからむので揚げる過程で材料に火を通しておくことが要求される。例えば古老肉では豚肉に衣をつけて揚げるが、初めに七、八分火を通して取り出し、二度揚げして甘酢あんをからませる。オーダーが通ってから二度揚げにすると手際よく料理を出すことができるので実践的な方法といえる。「炸」の応用で仕上げる「炸溜」と「炸烹」を始め「炸」の技法に類似する「煎」「貼」など少量の油を使って煎り焼く技法がある。また広東料理の手法である「椒塩」では揚げてから塩、香辛料をからませる技法もある。「炸」を理解することによって、それから派生する様々な料理を作ることができる。「炸」の基本では、素材に適した揚げ方、油の種類の特徴、衣の種類などを知った上で技術面では油の温度の見分け方、揚げるタイミング、火の通りを把握することが必要である。また「炸」は単に揚げもの料理だけではなく、煮込み料理の工程、点心の製作でも多用されるので必ずマスターしなければならない調理法である。揚げもの料理を総称して「炸菜」という。揚げもの料理は、総体的に外側は香ばしく歯切れがよく、内側はやわらかくて  クィツェイリィミンジューシーである。この状態を「外脆裏嫩」といい「炸」の概念を言い表している。炸 の 定 義━  1100  ━