ブックタイトル中国料理について

ページ
9/12

このページは 中国料理について の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

中国料理について

海水魚の有名料理では山東のタコ「?八帯魚」、上海、ニンポウ、あたりでは黄魚(いしもち)太刀魚も「糖酣帯魚」などに広東の華南地方では龍蝦、響螺、石斑魚が有名。総じて中国では身がパラリとくずれる淡白な黄魚やハタのような魚の方が好まれる。中国料理の野菜はどんなものを使う日本の野菜も実は中国から渡来したものは数え切れなくある。古い来歴の大根から明治以降に日本に普及したという思いがけないほど歴史の新しい白菜まで種類が多い。しかしこれらを中国野菜と呼んでいない。全く日本の野菜として同化してしまったものだから。中国野菜で主なものは青梗菜、広東白菜、搨菜等の華菜のほか油菜苔、空心菜などの香りがマイルドで高級感な青蒜苗、豆苗、韮菜花、韮黄などいずれも味が良い。豆苗、香菜、芹菜も代表的な中国野菜だが中国ではこうした中国野菜のみを使っているわけではない。大根やかぶ、大豆、いも類、ほうれん草などの葉菜、きゅうりの瓜類、ニンジン、キャベツ、ピーマン、トマト等々地域によって差はあるものの古来からある野菜、洋野菜を問わず広範囲に用いている。中国料理における野菜の使い方は非常に広く自由だ。中国料理はなぜ乾物が多彩か乾物というと中国料理にとっては非常に重要な材料であり中国料理の大きな特徴として乾物を用いる例が多い事。しかも高級料理に多いことがあげられる。ちなみに乾物の事を乾貨という。燕窩、魚翅、海参、干鮑などは最も価値の高い乾貨である。生椎茸よりも干し椎茸が使われ漢方薬として使われる。素材のほとんどが乾物として保存される。なぜこのように乾物が重んじられるかというと当然ながら保存がきくという利点、かさが減って輸送もし易い。季節を問わず、場所を問わずいつでも何処でも使う事が出来る。という点が広大な中国で海産物でも珍しいきのこでも上等な料理として食卓にのせることができ世界中に中国料理を広めることができた原因の一つ。さらに生の素材にはない濃密な美味や独特の質感も大切な要素で決して生の材料の代用品ではなく乾貨ならではの美味しい料理を生み出す。そしてその素材に適したもどし方は研究しつくされ理想的な状態に戻す━ 182 ━