ブックタイトル中国料理について

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概要

中国料理について

羊は特に華北地方では重要な食肉であり代表的な?羊肉やしゃぶしゃぶ料理など寒い季節には格別に好まれている。そのほか鹿、猿、犬、南方では果子狸という動物などもやや特殊であるが宴会料理にでることがある。野生動物は「野味」という。中国の市場では豚のヒレ肉が高価で脂肪の多いバラ肉が安いといった差別はない。この部位でなくてはこの美味は出せないとそれぞれに適した料理に用いるからで文字通り豚などは耳の先から足の爪先まで食べつくされる。内臓料理はげてものでは決してなく美味だからこそ食べられるので、良く掃除された胃や腸はあっさりと淡白、レバーは濃密な味腎臓は独特の歯触りでむしろ肉よりも高級な扱い。鳥類では鶏と鴨、野生の鴨は野鴨が最も一般的で名菜も多い。鶏の足、アヒルの水かきや舌がご馳走になるのも同様、鴿や?鶉もある。中国でも回教徒は豚を一切用いないので牛や羊、鶏やアヒルが料理の主役となる。中国料理の魚類にはどんなものを使う魚というと海水産の魚の方を思い浮かべ鯉やふな、鮎などを川魚とか淡水魚とわざわざ言ったりする日本と異なるのは淡水魚が主になっている点である。広大な中国全体からみればその大部分は海から離れた内陸部といってよい。黄河や長江のような大河に広々とした洞庭湖や太湖の他大小無数の運河や小川沼や池から獲れる魚介類は豊富だ。淡水魚ではまずおなじみの鯉、各地で獲れる使用範囲も広い同じく鯉科の草魚、美しい斑点のある味のあるけつ魚(桂魚ともいう)春に川に上ってくるのを待って獲るので魚へんに時と書く?魚は姿も味も最高級。尾肉が美味というので尾に近い部分だけをこってりと煮るので有名な青魚。頭がおいしいので土鍋煮などにする?魚、淡水魚のふぐ、すずき、うなぎ、ふな、なまず等々。鰻魚(うなぎ)よりもあっさりとした?魚(たうなぎ)を細切りにしてカラカラに揚げてアメをからめた脆?ほか有名料理が多い。特に「魚米之郷」と呼ばれる長江下流地域の江蘇、浙江を中心とする一帯は淡水魚の宝庫。杭州の「満台飛蝦」はエビの踊りだが、このエビも淡水、秋の味覚の随一大閘蟹も湖から湖に繋がる川で獲れる淡水の蟹。━  171 ━