ブックタイトル中国料理について

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概要

中国料理について

海鮮では白灼蝦、沙律龍蝦、清蒸石斑魚、肉なら焼乳猪、焼鴨、野菜では多彩なバリエーション、米を使った料理も多彩。地方別にした系統以外にどんな料理があるか中国料理の中に特別な系統があるかといえば宗教が生じたものがある。精進料理は「素菜」といって仏教の中にその伝統があり素菜専門の有名料理店もある。「葷酒山門に入るを許さず」と禅寺の山門にあるが酒とともにニンニクやニラのような匂いのきつい強精食品は植物であっても使用せず、当然なまぐさい物の肉や魚は一切使用しない。だが野菜だけでは単調となり栄養的にも味覚上からももの足りないから植物性たんぱく食品や植物油を上手に利用して一般料理に比べ遜色のないどころかむしろ上質な料理をそろえた宴会もある。野菜の他に大豆蛋白(豆腐や湯葉)、小麦粉のグルテンなどを上手に組み合わせることも多い。回教料理は「清真菜」という。豚肉は一切使用しない。豚で取ったスープも使わない。主に北の方では羊、南方ではアヒルが良く使われる。北京の名高い「東来順」は羊料理の有名店だがこういった店の多くは創業者が回教徒の例が多い。「薬膳」とは、宗教ではないが中国人の医食同源の思想を最も端的に表した料理といえる。口に入る食物は同時に薬である。料理は美味であってしかも体を健康にすることを目的としている。薬膳という場合は、漢方生薬を積極的に加えてその薬効を美味しい料理として体内に吸収させる。中国料理の肉類はどんなものを使う東坡肉、古老肉など料理名にただ肉としか出さない場合中国料理では一般的に豚肉である。「家」という字はウかんむりの下に豕、つまり屋根の下に豚がいるところの意味で古代の出土品の民家の模型をみても高床式の人間が住んでいる家の下に豚を飼っている構造がわかる。昔から中国では人間の生活からでる廃棄物を飼料として容易に飼うことのできる豚を食肉用の家畜として身近に使っていた。その点耕作用の伴侶である牛を食肉として使う割合は豚に比較して少ないが農耕民族である中国人の合理的な一面でもある。しかし牛肉ならではの煮込みやソテーものに、広東など南方では水牛、四川ではチベット系の牛を使うなど有名料理が色々ある。━ 160 ━