ブックタイトル中国料理について

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概要

中国料理について

水に恵まれ地下の塩水層から良質な塩がとれる。農作物は豊かで淡水の魚介の種類も多い。きのこ類や漢方薬剤の宝庫でもある。「天府之国」と呼ばれるほどで物資に欠乏する事はない。四川料理の特徴は土地の料理の一つ一つにさまざまな香辛料や調味料の配合が研究され複雑な味付けのバリエーションを生みだしていること辛いというのは一つの結果。麻辣は、山椒のしびれるような刺激の麻と唐辛子のヒリヒリする辛みの辣という四川の代表的な味。同じ唐辛子でも種類があって使い分けさらに生、乾燥品、漬けたもの油や味噌に辛味を出した辣油や豆板醤を料理によって使い分ける。胡麻、葱、生姜、にんにく等の香味を加えて千差万別の味を生み出す。紅油水餃、棒々鶏、樟茶鴨、搾菜、泡菜など四川独特の料理や漬け物は数多い。広東料理とは中国の南部、海に面した高温の気候と水陸両方の産物が豊富な一帯。「食在広東」の言葉通り、特にグルメ志向の強い土地柄で食材の幅広さ、料理の多彩さ、技術水準の高さについては定評がある。もともと国の物資の集散地であり、日本と同様に鎖国政策を取っていた清時代にも唯一広東だけが交易港として開かれたいた。東南アジア緒地域とは地理的にも近く南方の食品素材、薬剤や香料も入り西洋料理の調理法の影響もみえる。又この地方からために世界各地に進出した華僑が多いために、中国料理の中でも広東料理が最も国際的に知られている。一年中青々とした野菜、豊富な果物、二毛作でとれる米、新鮮な海の魚介類、大型のなまこや、ふかひれ等高級乾貨等が良く用いられる素材である。蛇料理山椒魚、果子狸、猿などの野味料理もある。鹹魚、香腸、?油などが好まれる。中国ならどこの土地でもおなじみの餃子や焼売、餡入りの菓子などの他、トロピカルフルーツ、タピオカ、ココナッツミルクといった西洋ムードの素材のデザート「枇」(パイ)布丁(プリン)のように当て字の西洋風もよくある。広東料理の味は「淡」といわれるが、これは特に味が薄いというより一つの味だけ際立ってきついのではなく全体がまろやかで調和がとれている。新鮮な素材にめぐまれている地だけあって総じて味付けはかろやかだが中には濃い目の味もある。━ 59 ━