ブックタイトル中国料理について

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概要

中国料理について

※南方といっても現在の広東、広西、チベットといった地方を指すのではなく元、明、清といった時代の都市、北京などから見た南方の長江流域にあたる江蘇、浙江省、安微省のあたり江南地方に当たる。北京料理とは中国には料理文化の伝統を持つ古い都市が数多くあり細かくどこの料理と特徴を挙げていくと十指にも余り特に外国人である日本のお客にはなじみの無い都市の名がついても分かりにくい。それで有名な都市の名を付けてその近辺の料理を代表させる。つまり北京料理といっても北京という一つの料理である場合と華北地方全体をひっくるめて北京に代表させている場合とがある。中国の北方地帯は冬は寒さ厳しく乾燥した土地が多い。米よりも小麦またその他の雑穀の粉食が庶民の主食とされてきた。味は濃い目で味噌、醤油の鹹味(塩から味)が良く使われる。葱、にんにく、ニラといった野菜又は油の使用の多いのも体力体温保持のため良質の石炭を産し炊事用の豆炭(煤球児)ができてから調理法も爆、炒といった強い火力の炒め物を得意とする。豚、羊、アヒル、魚では鯉の有名料理がある。北京だけ焦点をあてると元、明、清から現代まで首都である北京には単なる風土的な特色の他に都であるという社会的な特色もある。本格的な料理はほとんどが隣の山東省の料理が源流となっている。山東は華北の中でも海に近く気候風土に恵まれ産物が豊かで料理も発達していた。都の料理人は山東出身者が占め代表的な料理も、もともと山東料理だったものが多い。さらに北方の東北(満州)や蒙古の食も影響がみられる。現在北京の有名レストランには山東料理店が圧倒的に多い。江蘇、四川、広東など遠方各地の料理店も多い。これは都に上がってきている高官たちが郷土からコックを伴って来て互いに招いて宴を開いた歴史があるので宮廷料理の伝統もあり精緻な技巧、調理も油も薄く極あっさりとした独自の風格を持つ調理が庶民の濃い味とは別に発達している。━ 37 ━