ブックタイトル中国料理について

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概要

中国料理について

という技術が発達した。生の素材をそのまま使い生の味を重視するというだけではない中国料理の複雑な味を求める志向が加わっていったのである。中国料理における「焼」とはもともと焼とは、中国でも文字通り焼くことを意味していたが、明代あたりから中国では次第に煮るという意味で使われ始め、現在では煮る調理法を表す言葉として理解されている。しかし一部の地域、特に広東あたりでは焼くと理解されることもある。長時間煮込む、やっと火が入る程度ボイルする、サッと湯通しする。これらは皆煮る調理法であって煮るといっても中国では約20種類の技法に分類される。焼くとはその中の一つにすぎない。時間の長短、煮汁の量の多少クズ引きして仕上げるか仕上げないか等々で厳密に分類される。中でも焼くは材料が柔らかくなるまで、じっくりと火を通し素材の風味があくまでも保たれるように仕上げる調理法。焼くを大まかに分けると湿焼、乾焼の二つの異なったタイプに分けられる。湿焼とはじっくり煮込んだあと煮つまった煮汁を更に汁気がなくなるまで煮つめてクズ引きしない方法。湿焼は自由な味付けが可能なので使用頻度が高く醤油味は紅焼、塩味は白焼、味噌味は醤焼と言う。中国料理の焼?とは又焼の又の意味中国料理の調理法で焼く技法を?と呼ぶ。広東など南方では焼と書くこともあるが中国料理では一般に焼というと煮込む技法を指すので混乱を避けるために焼?と呼ばれることが多い。焼?の技法もさまざまで串に刺して炭火で炙り焼く技法もある。これを串?という。一般には羊肉を用いクミンとトウガラシをふって塩味で焼く、これは回教徒の料理である。焼?の技法の中で有名なのは北京?鴨、又焼、焼鴨であろう。掛炉?を用いて作られる。この他にも竹の中に材料を入れて竹ごと焼く竹筒?、材料を粘土で包み炭火の中に入れて蒸し焼く泥?、ジンニスカン鍋でなじみのある鉄板?焼等がある。合わせているのが中国料理の焼?の特徴である。中国語で書くと又焼、つまり又?と同義である又とは二又のフォークの意味でこれにつき刺して焼くところからその様に呼ばれる。━  193 ━